子どものやりたいことだけをやる保育で、本当にいいの?

「保育メソッド『主体性を育てる&共育ち』全体構造」の記事で、私の考える保育メソッドをご紹介しました。

そのなかで、「子どものやりたいこと」を遊び・生活の中心に据えて、必要な教育はその遊びの中に取り込むことが、子どもの主体性を育てることをお伝えしました。

また、『必要な学び活動(教育)』のためにのなかで、以下のようにお伝えしました。

国語・算数的活動や運動系・音楽系などの系統的かつ順次的に積み重ねを必要とする活動は、すべて「子どものやりたいこと」の中に組み込むことは難しいため、これは独立的に系統的かつ順次的な活動を行います。

文字の読み書きや時計の読み方などの国語・算数的活動や、縄跳び・跳び箱など運動系、リズムに合わせて歌う、楽器を演奏するなどの音楽的活動は、遊びに取り入れながら子どもが主体的・意欲的に取り組んでいくことが理想ではありますが、積み重ねが必要な学びで繰り返し練習してこそ身につくものため、それが難しい場合があります。

ですから、これらの活動は別に時間を設けて、独立的に取り組むことをおすすめしているのです。

子どものやりたいことを中心に据えた保育のデメリットは、子どもの興味によって教育に偏りがでてしまうことです。そこで、子どものやりたいことは「中心に据え」つつも、「必ずやる学習時間を日々の保育に設定」することで、子どもの力をバランスよく育てることができるのです。

例えば、ひらがなの読み、時計の読み方などは、これからお店屋さんごっこなどの遊びでも必ず役立つものですから、お店の名前をひらがなで書いていくなどのひらがなノートやミニ絵本をつくってひらがなや数字を書く活動、時計の読み方をクイズにするなど、工夫しながら系統学習を取り入れるといいでしょう。

以下の記事では、遊びを体験するごとにスタンプがもらえる特典を用意することで、さまざまな体験を促すという保育の方法を紹介しています。