5・6歳児に合ったお店屋さんごっこの展開法

「5・6歳児のお店屋さんごっこは、どんなチャレンジをさせたらいい?」の「方法2」で、5・6歳児クラスのお店屋さんごっこでは、「図鑑で調べたり実際のお店を見学したりして、本物らしく作る」ことで、創意工夫する力や社会性などを育てることができることをお伝えしました。

今回は、5・6歳児らしい取り組みにするポイントを、具体的なお店作りの例をあげてご紹介します。

■お花屋さんを作る場合

花固有の特徴をとらえて表現しましょう

4・5歳までは、「頭にあるイメージで作ったお花でごっこ遊びをする」でよいのですが、5・6歳からは、「作りたいのは何ていう名前の花?」などと尋ねて、何を作るのか具体的にすることから始めましょう。

そのうえで、「その花の特徴」は何かを子どもに考えさせましょう。作りたい花の特徴を図鑑で調べたり、実際に観察したりしながら、ほかの花とは違う特徴をしっかり見極めて、それを形にするように伝えてください。

例えばたんぽぽなら、ほかの葉ではあまり見られないギザギザの葉。朝顔なら、花びら中心から外側への色の変化など、それぞれに特徴があるはずです。

これらを、どのような材料で作ると本物らしくなりそうか、子どもと一緒に考えてください。例えば朝顔なら、色が変化するグラデーション折り紙などを用意してあげると、本物らしさを追求できるかもしれません。

花の場合、実寸サイズで作るよりも、ひとまわり小さめに作ったほうが、かわいらしく仕上がります。

■スーパー・八百屋・魚屋さんを作るの場合

売り場やパッケージにもこだわりましょう

本物に近づけるために、食べ物の特徴、売り場の様子、パッケージなどを実際に見に行く、調べ学習を行いましょう。

例えば写真のように、アルミホイルで魚の光沢を表現したり、実際のトマト容器に入れてトマトらしさを演出したりと、さまざまな工夫で本物らしさを追求することができると思います。

■パン屋さんを作る場合

パンのテカリ感や焼き色の工夫をしましょう

サンドイッチに発砲スチロールを使ったり、麺に毛糸を使ったりするなど、素材選びに工夫をしましょう。カゴやトレー、クロスなどを使って本物らしく見せるのもポイントです。

とくにパンは、テカリや焼き色に工夫することが本物らしく見せるためのコツです。

上の写真のパンの作り方はこうです。

1、新聞紙でだいたいのパンの形作ります。

2、クラフト紙をしっかり揉んでやわらかくして、「1」の新聞を包みます。

3、スポンジに含ませた絵の具を、黄土色(薄い焼き色)、次にこげ茶(濃い焼き色)の2回塗りで色をつけます。

4、ボンドを指先につけて広げて塗ります。乾くと透明になり、テカテカとつやが出ます。これでパンが焼き上がります! ボンドには、型崩れを防止する効果もありますので、崩れそうなところにも塗りましょう。

努力の過程や創意工夫をほめながら取り組みましょう

お店屋さんごっこを通して、子どもはどんな素材で作ればいいか模索したり、見つけた素材で試作・調整したりしながら進めていくでしょう。その子どもの努力や創意工夫に保育者が気づき、ほめ、認め、励ますことが、さらなる努力や工夫につながります。