画用紙の色を子どもに選ばせて、自由な発想力を伸ばそう!

今日は、私が幼いときの体験談をひとつお話します。

あれは、まだ小学校のときでした。図工の授業で、絵を描く授業があり、私は画用紙の裏表を使って絵を描きました。

裏面には、ありの巣の中の様子を精密に描き込み、表には人間に見えるたったひとつの小さい巣の穴を描きました。

これを先生に提出すると、私はとこっぴどく叱られました。「なんだこの絵は! なぜ表側に描かないんだ! ふざけているのか」と。

私は、このとき図工が大嫌いになりました。

「絵は表だけに描くもの」だと、誰かが決めたのしょうか。そんなルールはありませんよね。

大人の受け止め方や考え方、またこういった大人の決めつけで、子どもの自由な発想をつぶしてしまうことがあります。

保育者は、日々の声かけのひとつひとつに配慮が必要です。

さて、前置きが長くなりましたが、「決めつけないこと」に関連して、今日は描画活動で、子どもたちの自由な発想を伸ばす関わり方のヒントをご紹介します。おすすめしたいのは、「画用紙の色を子どもに選ばせる」対応です。

みなさんはたいてい、園や学校の描画活動の際、「白い紙」を渡されたと思います。

でも、「白い紙に描くもの」だと、誰が決めたのでしょうか。そんなルール、本当はないのです。

子どもたちはたいてい、しろくまや大根などの白いものを描くときに困っています。「描いても見えない…」「消えちゃう…」と。

そんな子どもたちも、描きたいものに合わせて好きな色の紙を選べたら、満足度の高い活動になります。

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また、「何色の紙に描く?」と子どもに尋ねる関わりは、子どもは事前に何を描くかを考える機会になるので、計画性の育ちにもつながります。

保育者の柔軟な発想と受け止めで、子どもたちの自由な発想や多角的なものの見方を育てていきましょう。

※ちなみに…紙に画材で描くことだけが「描く」活動ではありません。「泥」や「砂」でも絵は描けますし(泥水をカレーやコーヒーに見立てる、砂で描く絵 など)、思い描くことも「描く」活動のひとつです。