ごっこ遊びは、文字や数にふれられたり、社会のルールやマナーを知ったり、表現力を伸ばせたりと、子どもを成長させる体験のつまった遊びです。
しかし、最近、見立て遊びやごっこ遊びが不得意な子どもが増えたように感じます。また、そんな子どもたちに、どう関わればよいか迷うこともあるかもしれません。
そこで、今回は、幼児(主に3歳〜)のごっこ遊びを上手に発展させる関わり方や、子どもの成長につなげるコツをご紹介します。
まず、子どもにとって身近で再現しやすい生活シーンを取り上げて、遊びを展開させましょう。例えば、下記の6シーンが考えられます。
1、お店屋さんごっこ、売り買いごっこ (子どもに身近な地域のお店、スーパーなど) 2、レストランごっこ (ドーナツ屋さん、ジュース屋さんなど) 3、ままごと、料理、おうちごっこ (ごちそう、誕生日パーティ、お弁当など) 4、乗り物ごっこ (バス、電車、マイカーなど、地域の事情に合わせてなど) 5、絵本ものがたりごっこ、人形劇シアター (「三びきのこぶた」など絵本の役を演じるなど) 6、 その他 (どうぶつ園、先生ごっこなど) |
特に1、2は、お客さんや店員さんなどのセリフに一定の決まりごとがあり、子どもたちは、身近な体験を思い出しながら遊びを展開することができるので、盛り上がりやすいでしょう。
これらのシーンを取り上げながら、保育者はごっこ遊びを盛り上げていきましょう。
ごっこ遊びを盛り上げるには、以下の3つのポイントを大切にしてください。
ひとつ目は、保育者もひとつの役を演じて加わること、ふたつ目は、足りない道具は作って足していくこと、3つ目は遊びの流れ(起承転結)を整えることです。
ポイント1 実践術
例えばお店屋さんごっこをやるときには、メインの売り手役は子どもに任せて、保育者はサブ(引き立て)のお客さんを演じます。
トマトはないですか? 今日のお昼ごはんはミートソーススパゲッティなの
あと、サラダも作りたいんだけど、今日は何の野菜が安いかしら?
このように保育者があれこれと注文の多い役を演じることで、子どもが「トマトを用意しなきゃ。サラダに入っている野菜って何だっけ?」などと、新しい道具を用意したり、頭を回転させて考えたりするきっかけになります。これは、「アドリブ力」や「問題解決力」の育ちにつながります。