子どもが話を聞いてくれない…そんなときに試してほしい5つのこと

「ほかの先生の話は静かに聞いているのに、私のときはざわざわ…。どうして子どもは私の話を聞いてくれないんだろう?」なんて悩むことってありますよね。私も、新人の頃はそんなことがよくありました。

でも、ほかの先生の保育を見たり、本で勉強したりするうちに、だんだん話をするコツがわかってきました。

その中で見つけた5つの工夫をご紹介します。

1 話す内容を頭の中でまとめて、短く話す

まず、話す内容を頭の中で整理してみてください。本当に今、この話をしなくてはいけないのか、絶対に伝えたいことは何なのか、違う伝え方はないかということを整理すると、話がすっきりします。

ダラダラ話すと印象が薄くなるものです。大事なことほど、短くはっきり言う方が伝わります。

2 落ち着いてゆっくり話す

緊張して、早口になってしまう人がいますよね。しかし、それでは聞き取りづらいので、落ち着いてゆっくり話すことを心がけましょう。そのとき、話を聞いてもらえないからといって、どんどん大きな声になってしまうのは逆効果。逆に小さな声で話してみると、パッとこっちを向いてくれることがあります。

3 声に抑揚や動きをつける

やりすぎには注意が必要ですが、ふだんの生活で話すときよりも意識的に、声に抑揚や動きをつけて話してみてください。子どもたちが引き込まれていくのがわかると思います。例えばゆっくり歩いてほしいときは、「こうやって歩こうね」とジェスチャーを交えて見せると、真似してくれます。

4 話す内容を視覚化して伝える

幼児は、抽象的な事柄を考える力が未発達です。長い話をするときには紙に書いたり、写真を使ったり、人形を動かしたり、ときには保育者が演技をしたりと、視覚化をしてわかりやすくしながら話しましょう。

5 子どもに問いかけながら話す

みなさん、小学校や中学校で経験ありませんか。授業中にぼーっとしていて、急に指名されて焦ること。
保育でも同じで、話のいたるところで子どもたちに問いかけをして、受け身にならないようにするのは大切です。対話しながら話を進めることで、子どもたちは主体的に話に参加するようになります。自分の意見を聞いてもらえる場があるのも、うれしいですよね。

まとめ

ここまで5つの工夫をご紹介してきました。もちろん、これらが正解というわけではありません。試行錯誤していくことが保育のおもしろさだと思います。その中で自分と子どもたちに合うものを見つけていけると素敵です。

でも、そもそも人の話を聞くって、大人でも難しいことだと思います。

何分間だけ集中してほしいのか、今、子どもたちに話が聞ける心の余裕があるのかなど、さまざまな視点から丁寧に子どもの姿を振り返って考える必要があると思います。

そして、私が感じているのは、「聞きたい」の前に「話したい」のが人間なのではないかということです。子どもも、たくさん自分の話を聞いてもらう経験を通して、自分も相手の話を聞いてみようと思えるようになるのかなという気がします。

話すのが好きな保育者は、子どもに話しかけてばかりになっていないかということにも、注意するとよいかもしれません。

聞かせようとする前に、まずは子どもたちが話す場面を作ることもおすすめです。その日に盛り上がっていたひとつの遊びを取り上げて、遊んでいた子どもたちを前に呼んで作ったものや遊びを紹介すると友だちに認められたという経験につながりますし、他の子の遊びの幅も広がっていくと思います。