「紙のつけ足し」で絵を描くことがもっと好きになる!

5・6歳児は、絵を描くとき「何をどこに描こうかな?」などと、見通しを立てる力が少しずつ育ってきます。しかし、4・5歳児は、自分が表現したいところから描き始めてしまうことが多いため、途中で紙が足りなくなることがあります。

きりんが描ききれなかったよ〜

4・5歳児は、このように保育者に相談をもちかけてくることがあるかもしれません。

このとき保育者は、新しい紙を渡していちから描き直すように促すのは基本的にはやめましょう。描き直しを促すと、描きたい気持ちが削がれてしまいます。

そのときにおすすめしたいのは、画用紙をつけ足して、そのまま続きが描けるようにすることです。顔などに注目して大きく描いているうちに紙が足りなくなった子どもがいたら、この絵のように、身体の部分に画用紙を貼り足してあげましょう。

「親の隣に子どもの動物を描きたい」という場合も、紙をつけ足してあげればいいのです。逆に、小さく描きすぎてしまいショックを受けている子どもには、余白を切り落としてあげて、「大丈夫だよ。すてきに描けたよ」と受け止めましょう。

子どもの「失敗しちゃった」という気持ちを「大丈夫だよ」と受け止めると、「先生は自分のことを大切にしてくれている」という信頼感やよろこびにつながるでしょう。

「なりゆきで書いていたら、おさまらなかった」という体験は、5・6歳以降の見通しをもってから描くという計画力につながります。また、「紙を足せばいいんだ」「切ればいいんだ」という発想も、大事な学びです。

保育者自身が、これを失敗ではなく、今後につながる学びとして前向きに捉えることが大切です。

描画活動での受け止めについて、以下の記事もご覧ください。