3・4歳児1年間の保育のポイント

「やりたい!」の気持ちを応援する関わりを

3・4歳は、「自分は何でもできる」という自己有能感、万能感をもっています。運動会で自分が最下位になっても「みんな1位だった!」と考えていることもあります。でも、この年齢の子には、「え? ビリだったよ」などと、あえて言わなくていいでしょう。「自分は何でもできる」という自信は、着替えなどの基本的生活習慣や、はさみなどの練習、スキップなどの運動能力の向上につながる体験に前向きに取り組む意欲になるからです。

ただし、3・4歳は「やりたいのにできない」に苦しむ時期です。保育者が途中まで手伝ったり、ヒントを与えたりしながら、「できた!」という達成感を味わわせましょう。

3歳から4歳にかけて子どもの興味や能力差が見られるようになると思いますが、平均化すべきではありません。ひらがなが書ける子もいるし、その子を「すごい!」と言っているだけの子も、興味のない子もいる、そんな状態でかまいません。ただし、子どもが、「『あ』ってどうやって書くの?」「トンネルの作り方教えて!」などと保育者に聞いてきたら、「○○ちゃん教えてあげて」と、友達どうしで学び合う友達関係や、共支えの関係性も育ていきましょう。

1〜2月頃までに、子どもの得意不得意や興味関心、友達関係、また発達の遅れなどがしだいに見えてきます。4・5歳の子どもの目標や課題設定で役立ちますので、次年度の担当者の保育者にも共有しましょう。年度末に、造形など形あるものから個々の能力を把握するのもおすすめです。

写真提供:ペイレスイメージズ