新年度スタートの時期、保育を安定させるために、どのようなことを心がけるとよいでしょうか。
今回は、0〜2歳児クラスにおける準備や心がけを、全2回シリーズでご紹介します。
2回目は、遊び環境づくりです。
1回目の記事はこちら↓
お世話遊びで「園って楽しい!」の気持ちをつくろう
新担任の保育者に、よく「どんな遊具を準備してあげたらいいですか?」と問われることがあります。しかし、0〜2歳児にとって一番楽しいのは、保育者の手、腕、脚、身体! すなわち保育者の自身です。子どもたちと全身を使って遊びやスキンシップを楽しむことが、安心感を育てるために必要なのです。
また、子どもたちに「園って楽しい!」という気持ちを芽生えさせるためには、おもちゃも大切な要素。
しかし、おもちゃは、自ら魅力を発揮することはできません。やはりここでもカギを握るのは保育者自身です。
保育者がおもちゃを楽しそうに扱うことで、おもちゃのもつ魅力がはっきりと見えてきて、「さわりたい!」「遊んでみたい!」という欲求が子どもたちに生まれてくるのです。
例えば、スロープ型のボール落としのようなおもちゃを用意したときには、「あれ? ここに穴が空いているよ。このボールを落とすとどうなるのかな? コトン。コロコロ〜! わー転がった! チーン。ベルが鳴った!」「もう1回やってみようかな? コトン、コロコロ〜! チーン! また鳴った!」などと、言葉を添えながら楽しく遊ぶ様子を見せましょう。
また、1〜2歳頃の子どもは、人形のお世話遊びが大好きです。それは、自分がお世話をしてもらったうれしい体験を再現できる遊びだからです。
その意味では、レストランやお店で、食べ物を売ったり食べさせたり、運転手になってお客さんのお世話をしたりするような、「ほかの人のお世話をする」ごっこ遊びも、3歳児にとっては満足度の高い遊びなのです。
このように遊びの中で、保育者や友だちに喜んでもらうことは、園生活への満足感につながります。
ですから保育者には、そういった遊びの中で、子どもに「お願いできますか?」「ありがとう」「助かりました!」などと、積極的にお世話をお願いしたり、お礼を言ったりすることをおすすめします。
お世話遊びの中で、自分の気持ちとは違う人の気持ちと動きを体験することで、思いやりや想像力も鍛えられます。乳幼児期からは、おもちゃのフライパンで料理をつくるなどの見たて遊びとともに、お世話遊びにも取り組んでくださいね。