秋に作品展を控えている園も多いかもしれません。
多くの園が、「運動会」などクラスで決めたテーマの絵を掲示し、保護者に展覧していると思います。
ただ、とある園は違いました。保育者が子どもにどの絵を展示したいかを尋ねて、子どもと選んだ絵を展示していました。
作品には、子どもから聞いた「どのような思いで描いたのか」などの言葉も添えてあります。また、保育者が絵に合わせて作った手作りの額縁に入れて掲示しています。
作品展を見にきた保護者に、子どもたちは自分の描いた絵について誇らしげに語ります。
これは〇〇のときにね…!
ここの色を工夫したんだよ!
また、家族全員で絵の前で写真を撮る姿もときおり見られました。
これは、「子どもの思いをきちんと受け止める」という実践を具現化した活動といえます。
こういった「きちんと受け止めてもらった」という経験の積み重ねが、保育者や大人への信頼感を育て、さらには、子ども自身が思いきり自分の気持ちを表現する、ひらめきを表出するといった、創造的なエネルギーにつながっていくのです。
作品展が間近に控えていて額縁作りなどの準備がとれない場合は、まず、子どもたちとそれぞれ相談して、子どもが気に入った絵を飾るところからスタートしてみるといいでしょう。