新年度、0〜2歳児の保育を安定させるために ①

新年度がスタートの時期、保育を安定させるために、どのようなことを心がけるとよいでしょうか。

今回は、0・1・2歳児クラスにおける、準備や心がけを、全2回シリーズでご紹介します。

1回目は、生活リズムづくりです。

子どもそれぞれに合った生活リズムを見つけよう

0〜2歳児は、必要な睡眠時間や目覚めてから活発に活動するまでの時間、排せつ、食事の量やタイミングなど、個人差が大きいものです。

大人と0〜2歳では、睡眠や食事の時間などの生活リズムが大きく異なりますが、最近は子どもが大人に合わせた生活をとっている家庭が増えています。

ですから保育者は、子どもの心身の健やかな成長発達とクラスの安定のために、0〜2歳本来の生体リズムを取り戻せるようにサポートすることも、役割のひとつです。

例えば、寝不足の様子が見られる子どもがいた場合。ほかの子どもより少し長く寝られるように、早めに食事をさせて早く寝かしつけ、最後に起こすなどといった工夫ができるでしょう。

また、寝つきが悪い子どももいます。正しい時間に寝起きできているか保護者に確認することが必要ですが、原因には、新しい環境でなかなか寝つけない子や、元気があり余っている子など、さまざまなものがあると思います。お気に入りのタオルを抱いて寝させる、部屋の隅など刺激の少ない場所で寝させる、温度調節をする、活動的な遊びを増やすなど、それぞれの子どもが快適に寝られる方法をじっくり探してあげましょう。

また、食事も、入園後すぐは緊張して食べられない子どももいると思います。そばに寄り添い、笑顔を見せながら食べさせたり、「おいしいね」「もうお腹いっぱいになっちゃったかな?」「どれがおいしかった?」などと、優しく会話をしたりしながら、楽しく食事ができる雰囲気をつくりましょう。

食べる意欲がない・自分で食べたがらない子どもなら、様子を観察して、苦手なものがないか、咀嚼力が足りているか、遊び足りずにお腹が空いているのではないか、疲れていないかなどを探ったり、家庭では自分で食べているのか、ふだんの生活と食事時間が違っているのかなどを保護者に聞いたりして、対策を練りましょう。

保育者や園の都合の生活リズムに子どもたちを合わせることを急ぐことなく、優しい声かけと笑顔でじっくりと関わることが、保育の安定に向けた近道です。