なぐり描き期のお絵かきをもっとすてきに飾り、保護者にも喜んでもらう工夫

クレヨンなどでお絵かきをするようになるのは、一般的には1歳半頃からでしょう。大人が絵を描いている様子を見せると、子どもは「自分も描いてみたい!」と考えます。

始めの頃は、紙に点を打ちつけたり、乱雑に線を引いたり、上下に手を動かして線を描いたりと、手指、腕、肩全体を使ってなぐり描きを楽しみます。

もう少し手首をコントロールできるようになると、渦巻きを描くようになります。このなぐり描きや渦巻き描きなどの活動をしっかり楽しみ、それを保育者や周りの大人が喜んでくれる様子を見るうちに、愛着関係のある人の顔を描くための丸、さらには人の絵などを描くようになります

「まだこれしか描けないのか」「ごちゃごちゃに描いた絵だ」といった保育者や周りの大人の気持ちは、言葉にしなくても子どもたちに敏感に伝わるもので、お絵かきへの意欲をそいでしまいますから、注意してください。

続いて、丸や人の絵を描くようになるまでのなぐり描きを子どもが楽しみ、また、家庭に絵を持ち帰ったあとも、親子の会話や認めが生まれるサポートをご紹介します。

それは、子どもがなぐり描きをした絵を丸くカットしてお皿に見立て、上の絵のようにして飾ってあげること。

子どもの絵が主役ですから、画用紙に描くスプーンとフォークの絵はシンプルでOK。背景の画用紙も、子どもの絵に合わせて色を選びましょう

こうすることで、子どもが描いた絵を見ながら、「おいしそうだね!」「いちごかな?」などと会話をしたり、食べ物に見立てて「ぱくっ」っと食べるまねをするなどしてコミュニケーションをとることができます。

家庭でも、なぐり描きをそのまま持ち帰ったときよりも、家族のかたに「おいしそうだね」などと反応してもらいやすくなるでしょう。

個人差はありますが、人の絵を描くようになるのは、手指を思い通りに動かす力が育ち、人への興味が育ってくる3歳以降です。それまでの間も、子どもが楽しく描けるように保育者はサポートしていきましょう。

<応用として>
「何を描けばいいの?」と尋ねてくる子どもには、画用紙に、保育者が色鉛筆などで薄く丸とスプーンとフォークを描いて、「ぶどうが食べたいな」などと誘ってみましょう。