遊びに加わらない子がいるとき…。どう対応すればいい?

多くの子どもたちがはまっている遊びでも、なかには興味をもたず、参加しようとしない子どももいるでしょう。

とくに5・6歳児を担当する保育者たちから、「『こっちに来て一緒にやろうよ』と声かけをしても加わらず、別のことをして遊ぶ子どもの対応に悩んでいる」という相談を受けます。

保育者が設定した遊びが、子ども全員にはマッチしていないことがあるのは当然のこと。また、保育者の好みが遊びに反映される(注意していても、遊びの内容にやや偏りが出てしまう)のも自然なことです。

そんななかでも、より多くの子どもたちのニーズに応えられるように、体を動かす遊びから室内遊びまで、さまざまに遊べる環境を用意することは大切です。

しかし、そうした環境を用意したからといって、みんなと違う遊びをする子どもを、「あの子はあの遊びが好きみたいだから、自由にさせておこう」と、保育者の関心外にしてしまうことのないようにしてほしいと考えています。

保育者から見えるところで別のことをしているなら、気づいてほしいサイン!

遊びに加わらない子どもたちは、保育者から見えるところで何か別の遊びをしていることがあります。そうした子は、保育者から見ると、走り回ったり、ちょっかいを出したりしているだけで、ルールも名前もよくわからない遊びをしているように見えて、関心をもちづらいかもしれません。

ただ、保育者から見えるところで遊んでいるのは、次のような気持ちがあるから、という場合があります。

今みんなが遊んでいるものには、興味がもてないんだ。だけど、自分たちは何遊べばいいかわからないから、とりあえず走り回ってみてる。自分たちにもはまれる遊び方があればいいのに…。

別の遊びをしつつも、保育者の近くにい続けるのは、「自分たちにも関心を寄せてほしい」というサインだと、私は考えています。

保育者主導の遊びに取り込むことなく、子どものやりたい遊びを見つけよう

とはいえ、保育者が既に提案している遊びに興味を示していない子どもたちです。

保育者が遊びに介入しすぎると、子どもたちの好みではない遊びに無理に誘導してしまう恐れがあります。

また、この子たちは主体的な遊びをしたいという気持ちももっています。無理に保育者が知っている遊びに取り込んだり、保育者主導の遊びを展開したりしようとするのは避けましょう。

こうした子どもたちに対してできるのは、「保育者がその子たちの遊びに加わり、子どもと同じ動きをしてみること」です。

子どもがどんな気持ちで遊んでいるのか、何を楽しんでいるのかを感じ取るために、子どもの動きや発言をまねして、一緒に遊んでみましょう

そうすることで、保育者自身が知っていることとはまったく違うところに、おもしろさを発見できるかもしれません

そこからは保育者のサポートのしどころです。

〇〇って、かっこいいんだね! 初めて知ったよ〜

などと遊びのおもしろさを取り上げ、子どもたちが明日もその遊びを続けられるように、遊びの始め方と終わり方を考えるなど、遊びにメリハリをつけるサポートを行いましょう。

また、「〇〇くんと△△くんの□□遊び」など、その遊びに名前をつけましょう。そうすることで、その子たちにとって、遊びをしっかり認知でき、明日もやりたい楽しい活動になっていきます。

遊びに加わらない子どもたちを「自由にさせておけばOK」と放置し続けると、「自分は認めてもらえない」と考えて、保育者と子どもの溝が広がっていってしまうことも

また、せっかく子どもが主体的な遊びをしているのに、遊びを認知してあげなければ、その遊び自体が消滅します

保育者に見えるところで「助けて」のサインを出しているうちに、反応してあげることが大切なのです。