「入れて」「ダメ」にどう関わる?

遊んでいるグループに入りたいと思った子が「入れて」とお願いしたものの、「ダメ」と言われてしまい、保育者のところに相談にくるという場面はよくあります。

保育者としては「みんなで仲良く遊んでほしい」という思いがあるので、問題の原因を探り、それぞれの主張を伝え合う機会をつくりながら、最終的には「入れてあげようね」と一緒に遊ぶように促すことが多いかもしれません。

保育者の仲介を通して、お互いの言い分に気づく機会をもつことは大切ですが「保育者に言われたから表面的に入れてあげただけで、子どもたちは納得していない」となってしまっては、問題の解決につながりません

そのようなときは、こんな関わりをしてみましょう。

例えば、ごっこ遊びをしているグループに入りたいという場合、おそらく既に「お母さん役」「子ども役」などの主要メンバーは決まっているでしょう。そこで保育者は、仲間はずれの子どもと一緒に、郵便屋さんやお花屋さんなどの「訪問者役」になって、グループに入っていくのです。

郵便でーす! パーティーのおしらせですよ

お手紙を作り上記のような遊びを広げるきっかけとなる声かけをすれば、今までとは違う展開をおもしろがり、仲間に入れてくれるかもしれません。

それでもまだ、「郵便屋さんはいらないの」などと言う子どももいるかもしれません。

じゃあ隣で手紙や切手を売る、郵便局を開いてもいい? 荷物も配達するよ

などと提案しながら、一緒に遊べる方法を探りながら少しずつ加わっていきます。

仲間はずれになった子どもとグループの子どもをつなげるサポートも大切ですし、「別の遊びもあるよ」と、他の子と遊ぶように促すこともひとつの方法です。また、あえて子どもたちに解決を任せるという方法もあるかもしれません。適切な関わり方はひとつではありませんが、ここで挙げた「ごっこ遊び」の例のような保育者が介入しながら子ども同士をつなげる関わり方も、ひとつのサポートとして覚えておいてくださいね。