見立て遊びが得意な子は、園生活もスムーズに!

見立てる力は、友だちと仲良く遊ぶための重要なスキル

子どもは遊びの中で、丸めた泥の塊を「ハンバーグ」と言うなど、ものを別のものに見立てて遊びます。

この見立ては、ふだんの生活や絵本、写真などで記憶したことをもとに、実際に目の前にものがなくても想像して遊ぶことができるスキルです。

一方で、「これはハンバーグ!」と伝えても、「そんなのただの泥」と言う、見立てる力が弱い子どももいます。

ゲームやスマートフォン、遊びの限られたおもちゃで遊ぶことが多く、見立て遊びをあまり経験していない場合、見立てる力が弱くなる傾向があります。

しかし、見立てる力は、生活の中でも重要なスキルです。

例えば商業施設でトイレに行きたいとき、私たちはトイレのマークを探し、用を足したら洗浄ボタンを押しますね。それができるのも、ふだんの生活で知ったことを図記号化して理解し、「トイレはこっち」「洗浄ボタンはこれ」などと、見立てる力によって判断できているからなのです。

また、見立てる力は、人と関わるときの重要なスキルでもあります。

例えばふだん子どもを見て「そわそわしているけど、トイレに行きたいのかな?」などと、しぐさや行動を見て考えますよね。これもこれまで知った情報をサイン化して、汲みとっているのです。

このように、見立てる力は生きるうえで重要なスキル現実的に、園生活で見立てができないと、友だちの遊びに加わることができません

まわりの友だちに悪気がなくても、仲間はずれにされてしまうこともあるため、見立てる力を高める働きかけが大切なのです。

※ちなみに…描画活動でも、丸を描いて「おかあさん」「いちご」などと、ものを見立てています。描画力は、見立てる力とともに発達していきますから、見立て遊びは、描画力の発達にもつながることを意識しておきましょう。

散歩などで、人やものを観察しよう

見立てる力を伸ばすために、まずは人やものをじっくり観察することが大切です。

散歩に出かけると、トラックで荷物を運ぶ宅配便屋さん、「いらっしゃい! いらっしゃい!」と威勢のよい声で野菜を売る八百屋さんおいしそうなパンが並ぶパン屋さんなどが見られるでしょう。

少し足を止めて、「どんなパンがあるかな?」とお店を見たり、「今日はオレンジが安いよー!って言ってたね」などと会話をしたりしながら、知識を増やしましょう

そして散歩から帰ったら、例えば丸いリングやお手玉などをパンに見立てて人形に食べさせるなどをして、見立て遊びの経験を積みましょう

虫が好きなお子さんなら、葉っぱを虫に見立てて工作をしてあげるなど、好きなものを見立ててあげることで、イメージしやすくなります。

散歩に限らず、園庭で異年齢の子どもたちの遊んでいる様子を「何をしているの?」と観察させてもらったり、一緒に遊んだりするのも刺激になります。

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