0・1歳児の7・8月からの保育「子どもの欲求を満たす大人のまねっこ遊び」のすすめ

人のまねっこは、子どもにとって楽しい遊び

0・1歳の7・8月は、子どもと保育者の愛着関係が育ってきて、徐々に泣かないで過ごせるようになります。すると、子どもの中に、愛着をもった保育者のやっていることをまねしたい、一緒にやりたいという気持ちが芽生えます。

この時期の大人のまねっこは、子どもにとってお気に入りの遊びになります。身体や手指の発達につながる体験も含まれるでしょう。そこで、意図的に子どもの前で、食事・排泄・遊び・睡眠などの生活のしたくの様子を見せるようにしましょう

生活のしたくとは、タオルやハンカチ、洋服などの洗濯物をたたんでかごに入れることや、食事の配膳、遊びに使う道具を用意したり、片づけたりする動作などです。

子どもはこれらを観察してまねるので、まねしやすいようにシンプルな動作を披露することが大切です。

うた・リズム・テンポ・笑顔の保育

生活の動作は、うたやリズムにのせて口ずさむようにすると、子どもは動作をイメージしやすくなります。また、「ぐるぐる」「まぜまぜ」「チーン」といった擬音語・擬態語は、遊びの中でも楽しく使うことができます。こういった言葉も使いながら口ずさみましょう。

例えばこんな具合です。

■洋服をたたむとき

角と角を合わせてピッタンコ。Tシャツも、半分に折ってからピッタンコ。引き出し開けて、かごにポン。

■食事の準備のとき

お腹すいたね。ごはんの準備をしよう。エプロンつけて、テーブルふきふき、きれいになりました。これは〇〇ちゃんのごはん、〇〇ちゃんお箸をどうぞ!

7月は、安定してきた子どもと一緒に遊びをつくっていく段階の始まりの時期です。

保育者の生活のしたくを見て、聞いたことをきっかけに、人形の布団をたたんだり、テーブルを拭いたりする遊びが見られるかもしれません。そんな場合は、一緒に畳んだり、拭いたりと、遊びにじっくり付き合ってあげましょう。

<ワンポイント>
保育雑誌などに書いてある遊びをその通りに実践するよりも、このように目の前の子どもの反応や欲求からヒントを得て遊びを展開する方が、子どもたちに「先生は、自分の欲求に応えてくれる」という気持ちが芽生えるものです。保育者と子どもの信頼感もいっそう増していくでしょう。