はさみの使い方を教えるときのポイント

今回は、はさみの使い方を教える前に知っておきたい3つのステップ、「1 はさみの選び方、2 使用前の声かけ、3 使用中の声かけ」をご紹介します。

1、はさみの選び方

子ども用に刃先が丸くなっていて、子どもの手にあったサイズのはさみが販売されています。基本的にはそれらを使えばよいでしょう。

子どもが手を切らないように開発されたプラスチック製のはさみが販売されていますが、これは、薄い紙1枚くらいしか切れません。また、はさみの刃がうまく紙にあたらずカラ切りしてしまい、子どもははさみが嫌いになってしまったり、無理やり切ろうとして逆に危険であったりします。私は、プラスチック製のはさみは使用しない方がよいと考えています。

ただ、子どもは、保育者や大人がはさみでものを切っている様子を見て、「はさみってすごい! おもしろそう!」「(先生が使っているはさみがよく切れそうだから)それを貸して!」と言ってくるものなのです。ですから私は、子どもだけしか使えないはさみ(指が入らない)ではなく、保育者も子どもも一緒に使えるはさみがよいと考えています。

保育者も子どもも一緒に使えるはさみはこちら

長谷川刃物 はさみ<ケースなし>

長谷川刃物 はさみ<ケース付き>

保育者と子どものデザインがそっくりなはさみはこちら

コクヨ エアロフィットサクサ<子ども用・右手用>

<子ども用・左手用>

<保育者用>

2、使用前の声かけ

まず、はさみを持たせる前は、「座って使う」「持ったまま歩かない」「人に向けない、振り回さない」「使ったら刃を閉じる」「必ずテーブルの上に置く(床に置かない)」「先生がいるときに使う」「人に渡すときは、刃先を自分に向けてから渡す」といったルールやマナーを伝えましょう。

園生活では、これらのルールやマナーを理解できるようになる3・4歳以降から使用させるのがよいでしょう。

3、使用中の声かけと教えるステップ

はさみは、まず大人が使い方の手本を示しましょう。ふたつの穴のうちひとつに親指を入れ、もうひとつの穴に中指と薬指(穴の大きさに合わせて小指も入れても構わない)を入れ、人差し指は、輪の前に添えるのが、はさみを安定して持つことができる正しい持ち方です。

このはさみの持ち方と紙の持ち方と動かし方を教えます。

使い始めの頃は、はさみを水平にして持ってしまうことが多いので、紙は水平にしてはさみは垂直に立てて閉じ開きすることを教えましょう。

また、紙を持つとき、危なくない距離は保ちつつできるだけ切るところの近くを持つことで、紙がたるみません。紙を持つ位置がずれている子どもがいたら、このポイントを教えましょう。

そして、はさみは以下のステップで練習を行うとスムーズです。

  • 1回切り
  • 2回切り(連続切り)
  • 曲線切り
  • 自由切り

最初から、2回切り(連続切り)や曲線は難しいので、始めは1回で切り落とせる紙(細い紙)を用意して練習をさせましょう。

楽しくはさみの練習をする課題について、以下の記事でご紹介しています。

■1回切り

■2回切り(連続切り)

■曲線切り