「劇にしやすく、演じやすい劇の題材の選び方」の記事で、「おおきなかぶ」を一例として取り上げました。今日は子どもたちにぜひ語って聞かせてほしい、「おおきなかぶ」の魅力についてご紹介します。
おじいさんは、大きく育ったかぶを収穫しようとしますが、ひとりでは引き抜けません。そのあと、おばあさんを呼び、孫娘を呼び、犬を呼び、猫を呼び……。最後には猫がねずみを呼んできて、ようやくかぶが抜けるというお話です。
最後に、誰よりも小さく力の弱いねずみが加勢したところでついにかぶが抜けるというところが、とても魅力的ですよね。
おじいさんは、ねずみがくるまで待っていたのだと私は考えています。
この絵本は時間を見計らい、その力を頼りにすることで、ねずみの小さな力も大いに役立つことを語っています。
この絵本を読み、絵を子どもたちと見比べ、「どんな子どもも大切であること」などの保育者の思いを伝えれば、子どもたちはしみじみと、自分の存在意義について再確認することができるでしょう。
劇の練習の合間に、こういった話をすることで、子どもたちの劇へ意欲や関わり方も変わっていくものですよ。