粘土遊びは、発達や経験とともに取り組み方が変化していきます。
2・3歳では、粘土に慣れ親しむのがメイン。こねる、伸ばす、切るといった粘土の扱い方や素材の特徴を覚えていきます。粘土にも慣れる4・5歳になると、作りたいものをつくるようになります。
今回は粘土遊びスタート期の2・3歳児におすすめの遊び方&環境づくりについてご紹介します。
教えるのは、玉づくり、紐づくり、おせんべいのような平らなものづくりの技法
2・3歳児は、粘土に慣れ親しむ時期。
立体物などを作らせることをゴールとせず、玉づくり、紐づくり、おせんべいのような平らなものづくりの3つの技法を学びながら、そこからできる遊びを楽しむという、ゆるやかな表現遊びをしていただきたいと思います。
粘土の塊から、適量の粘土をひねりとって手のひらでころころ。ボールができた!それを机に置いて、手のひらでぺたんぺたん。おせんべい!
それを、両手で挟んでこねて、紐の完成!
このようにひとつの粘土から、いろいろな形のものを作っていくことは楽しいでしょう。
そしてぜひ取り組んでいただきたいのが、下のイラストのように、紐で絵を描く遊びです。
机全体を使って、保育者や子どもたちのひらめきを自由に発揮しながら、お絵かきをしましょう。「ここは海だよ」などと、設定を決めても盛り上がるでしょう。
机全体を使って遊べるように、ベニヤ合板や透明ビニールシートを敷こう
一般的な粘土遊びは、各自1枚の粘土板の上で取り組みますが、「紐で絵を描く遊び」は、机全面を使って遊ぶと、とても盛り上がります。
冒頭でご紹介した3つの技法を使った遊びも、複数人で机を囲んだ方が楽しめます。
その際、表面がコーティング加工されたベニヤ合板か厚手の透明ビニールシートを敷くと、机が汚れないので、保育がスムーズになります。
ベニヤ板は、カラーボックスなどに使われているような、きれいな色付きのベニヤ板があれば、そちらをおすすめします。
透明のビニールシートを使う場合は、下にラシャ紙やジャンボボール画用紙などを敷いてから、ビニールを敷くと、粘土が映えます。また、紐で絵を描く遊びでは、青い紙を敷いて「ここは海だよ」などと伝えれば、子どもの創作意欲が湧いてくるでしょう。余裕があればぜひ試してみてください。
■表面がコーティングされたベニヤ合板
■厚手の透明ビニールシート
■プラのベニヤ板は、テーブルにガムテープなどで固定できるのであれば、扱いやすくておすすめです
保育者も一緒に座って取り組んで
粘土遊びスタート期の2・3歳児は、粘土に慣れ親しめるように、保育者のサポートが欠かせません。保育者も席について、一緒に粘土遊びに取り組んでください。
また、細かなものを作るわけではないので、2・3歳児の粘土遊びの道具は、アイススティック1本を、取り組む人数分準備すれば十分です。
アイススティックは、粘土を切ったり、粘土を平らにしたり、余分な粘土を取ったりするときなどに使います。