以前、水性ペンや色鉛筆などの筆記用具をいつ頃から与えるとよいかをご紹介した記事で、描画力の発達ステップをご紹介しました。
おさらいをすると、描画力は以下のように発達します。
1、1歳頃から、縦横の線を引いたり、点をたくさん打ったりするようななぐり描きをするようになります。
2、もう少し手首のコントロール力が育ってくると、うずまきが描けるようになります。
3、遊びの中で「これはプリン」「これはママ」などと、ものを見立てるようになると、始めと終わりのある丸を描くようになります。その後、二重丸や丸の中に複数の丸を描きます。
4、ものの形や位置関係、中心を意識するようになると、人のような形(頭足人)を描くようになります。
これが基本的な描画力の育ち方と言われていますが、描画力はひとりでに育つわけではありません。
大人が子どもに、なぐりがきやうずまきなどのお絵描きをたっぷりとできる環境を用意し、「よく描けたね」「これは何?」などとやりとりをする関係性があってこそ、子どもは「もっと描きたい」「(愛着のある)人の絵を描きたい」などといった気持ちが育っていくのです。
また、思い通りに描くには、手指をコントロールする力の育ちも欠かせません。
5歳くらいまでは骨や筋肉が発展途上ですから、弱々しい線になってしまうのは自然なこと。
年齢に合わせた正しい道具を用意し(4歳くらいまでは、濃くしっかり描けるクレヨンや水性ペン、絵の具の筆などがおすすめ)、手指をコントロールする力を育てる遊びで、思い通りに描く力を育てましょう。
手首や指を自由自在に動かす力は、遊び以外にも、タオルを四つに折ったり、ボタンをとめたりといった日常動作でも育ちます。こういった日常動作も、子ども自身に体験させるようにしましょう。
次回から、手指をコントロールする力を高める楽しい遊びをご紹介します。