行動が遅い子に、どう関わればうまくいく?

ほかの子どもは準備や片づけなどが終わっているのに、ゆっくりとマイペースにやっていたり、言われないと行動しなかったり。

そんな子どもに「いつまでやっているの?」「周りを見てごらん」などと声かけをしても、なかなか行動が改善されないために、どのように関わればいいのか迷うこともありますよね。

今回は、そんなときに役立つ関わり方のコツをご紹介したいと思います。

コツをご紹介する前にお願いしたいのは、子どもに「行動の遅い子」といったレッテルを貼ってしまうことがないように、ということです

子どもには、それぞれいいところがあります。行動のゆったりな子には、丁寧さ、熟慮する力、細部までこだわる力などがあることも。その子のよさをしっかり見つけながら、子どもたちに関わるようにしてください。

それでは関わり方の話に戻りましょう。

わたしは、どうしてこの子たちは、「行動が遅くなるのか」に注目するとよいと考えています。

例えば、行動が遅いお子さんは、「自分で」という思いが強いことがよくあります。

洋服の端と端がきれいに重なるまで何度でもやり直す、といったようにです。

「自分で試したかった」「自分でやりたかった」という言葉を目にすると、1・2歳頃の反抗期に似ていると思われたかたもいらっしゃるかもしれません。

「電気を消したかったのに、大人が消してしまった」

「手すりを使って自分で階段を登りたかったのに、抱っこされてしまった」。

このような気持ちから機嫌を損ね、その場から一歩も動かなくなった1・2歳児には、「もう一度電気をつけてやり、子どもが消す」「もう一度階段の下に降りて、手すりを使って子ども自身で登らせる」といったように、満足するようにやらせる方が、気持ちの整理が早く済むことがありますよね。

それと同様で、行動が遅くなっているタイプの子どもには、自分で考え、選び、決めるということを保証することで、満足して早く次の行動に移れるようになることがあるのです。

とはいえ、保育者やまわりの子どもがフォローしたほうがいい場合もあります。

自分のこだわっている部分ばかりを行なっていると、ものごとの手順ややり方を学ぶ機会を失うこともあるからです。

フォローをする場合は、その前にその子に「着替えの次は何をするんだっけ?」などと、ものごとの手順ややり方がわかっているかをチェックするようにはしましょう。

また、「自分で試したかった」「自分でやりたかった」ということが理由ではなく、器用に準備などができないという理由で、行動が遅くなってしまうこともあります。

例えば洋服をたたむときに、5・6歳になっても床に洋服を置いて袖をゆっくり重ねて、はんぶんこしているとしたら、袖と袖をつまんで空ではんぶんこすると早くたためるなど、スピードアップのコツを教えてあげましょう。