―保育者を支援することで子どもに還元される活動をしたい―酒井さん

<保育の人々インタビュー1>酒井沙弥香さん

こんにちは。おしあやです。

保育者支援の分野で活躍されている保育者のかたにインタビューをしました。今回は、その内容をお届けしたいと思います。

保育者を対象としたオンライン交流会やLINE@での無料相談など、保育者支援を積極的に行っている酒井沙弥香さんです。

保育に熱い思いをもつ、酒井さんのお話をぜひご覧ください。

酒井沙弥香さんプロフィール
 
ノートルダム清心女子大学児童学部卒業後、幼稚園教諭を4年間勤める。その後、幼児教育の知見を広めるために、ベビーシッターやファミリーサポート、家庭支援センターでのボランティア、幼児向けイベント監修、プレスクール担任を2年間勤めた後、独立。
現在は、先生達のサポート事業と子ども達に茶道教育を広めるべくチャリティー事業を行っている。茶道歴3年。「未来ある子ども達が“この世に生まれてきてよかった!」と思える瞬間をたくさん作る手伝いをすることを目標として、法人化を目指しています。
LINE@ 無料相談はこちら!(オンライン先生交流会の情報も配信)

保育の悩みは人間関係などの職場環境

おしあや<以下お>:酒井さんは現在どのような活動をしているのですか?

酒井さん<以下酒井>:保育者を対象にして、オンライン上に数人が集まって園での悩み相談などのフリートークや、ときによっては保育の中にあることを題材にしてテーマトークをしているオンライン交流会1対1で行うLINE@での無料相談を行っています。以前は幼稚園教諭やプレスクールでの保育者をしていたのですが、今は保育者支援を中心に活動しています。

お:オンラインで交流するってすごいですよね。今時っぽいっていうか。どうしてさまざまな選択肢があるなかで、オンライン交流っていう形を選んだのですか?

酒井:はじめは対面もいいなあって思っていたんですよ。カフェとかに集まって。でも、自分が参加すると考えた時に、対面ってハードルが高いと感じました。知っている友だちが一人でもいたらいいけれど、誰も知らないところに行くのって緊張しますよね。「結果遠慮して何も言えなった」とかもありそうだなと。あと、みんながみんな都内に来られるわけでもないですよね。地方のかたにも参加してほしいなと思って。また、悩みが深いのは若い人が多いかなと感じていたので、若い人たちが親しんでいるオンラインの方が気軽に始めやすいと思ったんです。

お:確かに。若い人の目線に立つと自然とオンラインというやり方に繋がっていきますね。いい視点だと思います。

酒井:また、zoomというオンラインでミーティングを行うアプリを使って交流会をしていて、カメラオフの機能があるので、「参加したいけれど、顔は知られたくない」というニーズに答えられるのもメリットです。「顔を出さなきゃいけないですか?」というのも少なくないので。

お:なるほど。ではその交流会で悩みを聞いて、「こんな悩みが多いな」って思うものはありますか?

酒井:大きくはやはり職場の人間関係を中心とした悩みですね。細かくは先輩の対応や上司の理解がないとかがあるけれど、結局まとめると大人対大人の職場環境が主な悩みです。

お:実際悩んでいる内容って、保育のことじゃないんですね

酒井:保護者とこういうことがあって困ったとか、子どもがこうで困ったとかはあまり聞かないですね。

お:そうなんですね。本来の仕事内容が悩みにならないという。LINE@でも悩んでいる保育者の相談に無料でのっているそうですね。

酒井:はい、大勢の中で言える人と、内容が深刻すぎてほかの人がいると話せない人もいると思ったので。あと、言葉で発するのが得意な人と、文章で書く方が得意な人っていると思うんですよね。自分で書くことで頭の整理にもなるので。そういった意味でも使ってもらっているんです。

お:結構相談はきますか?

酒井:相談者の数は結構多いです。その中にはときどきのかたもいますし、園の中であったことを毎週相談してくるかたもいます。アドバイスをしてすぐに具体的に解決するということはあまりありませんが、寄り添って一緒にがんばろうと乗り越える感じですね。

お:そのような場所があるだけでも安心できますよね。

酒井:はい。まだ実現はしていないのですが、今後は園の中に入って保育者に寄り添う存在になりたいと考えていて、保育コンサルタントを目指しています。特に私は職場環境のコンサルタントをしたいと思っています。

お:職場環境のコンサルタントと言うと?

酒井:職場環境が原因で、思うように保育ができないなどといった理由で、辞めていってしまう人が多いのが現状です。かといって、先輩の先生や上司のかたも悪気があるわけではなくて、抱えている仕事やストレスが多いから、そのはけ口になっている可能性もあるのではないかと。いい環境ができてないんだったら、園自体の業務量の問題もあると思うんですよね。そこを一緒に考えていけたらと。

お:うんうん。

酒井:外部の人から言われた方がいいという側面もあると思うのです。保育の現場は人手不足が深刻ですから、その原因を一緒に考えて変えていきたい。

子どもたちが「生まれてきてよかった」と思える瞬間を

酒井:私は子どもが大好きなので、最終的には子どもに還元される活動をしていきたいのです。大好きな子どもたちが「生まれてきてよかった」と思える瞬間を、たくさんつくるお手伝いがしたいんです。

お:なるほど。

酒井:そのために私が何ができるかという中で、すてきな保育者が増えていったり、働きやすい環境をつくったりすることで、結果として教育の質が上がれば、子どもに還元される。

そういうことでこの活動をどんどん広げていきたい。

お:そうですよね。保育者が安心できなければ、教育の質は上がっていかない。

酒井:残念なんですよね。私の中では、すてきな先生が辞めてしまっていっているという感覚があるんです。辞めて別の業種に転職するかたが多いので。すてきな先生が、職場環境のストレスのせいで現場を去るということは、無くなってほしい。だってそれって子どもにとっては損失じゃないですか。それをなくすために、私にできる事をやれたらと思っています。

お:子どもたちのためにも、保育者が働きやすい環境が必要というのはとても共感できますし、その考えからから具体的に行動しているのが素晴らしいですね。今回はありがとうございました!