年度後半からは「コーチング」の姿勢にきり替えよう

9月は1年の折り返し地点。これまでは、子どもに知識や経験をつけたり、クラス内のルールなどを伝えたりすること(ティーチング)が多かったかもしれません。年度の後半からは、子どもの考えを引き出したり、問題を解決させたりする「コーチング」を意識的に取り入れましょう。

「コーチング」とは、子どもの考えを聞いたり、問いかけたりして、子ども自身にアイディアや選択肢に気づかせ、行動に移せるように後押しする関わりです。

例えば、子どもがうさぎの当番活動を忘れたとします。

このとき先生が子どもに「明日からは、登園したらすぐに当番表を見ようか」などと、先生側のアイディアや答えを教えるのは「ティーチング」です。

代わりに、子どもに「忘れないためには、どうしたらいいと思う?」などと相談して、「登園したらすぐに当番表を見る」「当番表をつくる」などといったアイディアを子どもたちから引き出すのが「コーチング」です。

生活体験や経験がまだ豊富ではない子どもにコツを教えたり、丁寧にステップを踏んで教えたりする「ティーチング」は大切な関わりです。ただ、「ティーチング」だけでは、人に答えを求める依存体質になってしまう可能性があります。

だからこそ、保育者のみなさんには、質問を通して子どもに考えきっかけを与える「コーチング」という関わりも、取り入れていただきたいのです。

「コーチング」の方法は、書籍でも多く紹介されています。また、保育事例集でも、子どもに問いかけながら、保育を進める実例も見かけると思います。

難しく考えず、まずは、「どうしたらいいと思う?」「どう思った?」などの質問を子どもたちに投げかけることから始めてみてください。

これらの本も参考にしてみてください。