「エゴ・レジリエンス(エゴレジ)」でめざす「メゲない」保育

自分でちょっとだけ意識や行動を変えてみることが、「エゴ・レジリエンス」アップのカギ

ーなるほど。では、自分のエゴレジの度合いを知った上で、それを高める方法はあるのでしょうか。

基本的にはチェックした14項目の点数を高めていくことを意識することです。例えば、「私は今まで食べたことがない食べ物を、試すことが好きだ」が1点だった場合、意図的に「食べたことがない食べ物を食べるようにする」などです。他にも、いつも同じ道を通るなら、「たまには違う道を通ってみる」ことも有効ですね。先ほどの3つの要素で言えば、「好奇心」を意図的に高めることといえるでしょう。

ほかにも、嫌なことがあった夜の寝る前に、その嫌なこと以上に良かった過去の出来事を3つくらい思い浮かべてみてください。嫌なことがあると、どうしてもそのことばかり考えて視野が狭くなってしまいがちですが、こうしたやり方を知っておくだけでも、ポジティブな方に意識を向けることができ、「立ち直り力」につながるんです。

また、「私の周りには、感じが良い人が多い」は「柔軟性」に関わっています。この点数が低い人は、人の悪いところにばかり目がいってしまいがち。でも、人には多様な側面があります。「いつもぶっきらぼうだけど、根は優しい」「心配性ということはそれだけ丁寧」など、さまざまな方向から見たり、捉え方を変えたりすることで、柔軟性が高まるでしょう。

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ー自分の心を自分で意識して調整するから「エゴレジ」なんですね。特別な道具や考え方が必要なわけではなく、誰でも取り組みやすいと思います。

ちなみに、私が行っているエゴレジのワークショップでは、最初にご自身のエゴレジをチェックしてもらった後、普段降りない駅で降りてもらったり、身近な人のいいところを挙げてもらったりするようなワークを行い、最後にエゴレジチェックをもう一度やってみるんです。すると、多くのかたでワークの前よりもエゴレジが高まっているんです。

ー最後にチェックして効果を測定することは、効果があったことを実感することで、意識をよりポジティブな方向に向けやすくなりそうです。

私も自分の子育てを振り返ったり、保育に関わる多くのかたと接したりするなかで、エゴレジの重要性を感じています。読者のかたがたにも、ご自身のエゴレジをチェックして、メゲない自分になるよう、普段からポジティブな方向に意識を向けてもらえるとよいですね。

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