「エゴ・レジリエンス(エゴレジ)」でめざす「メゲない」保育

「エゴ・レジリエンス」があれば、メゲそうになっても怖くない!

ーでは、どうしたらメゲない心になることができるのでしょうか。

私がおすすめしているのは、「エゴ・レジリエンス」を高めることです。「エゴ」とは「自我」(自分)、「レジリエンス」とは「弾力性」(立ち直り力)のことで、合わせて「自我弾力性」のこと。スタンフォード大学の大学院生だったジャック・ブロックという心理学者が最初に提唱しました。

「自我弾力性」と言うとちょっとわかりにくいので、ゴムに例えてみましょう。
ゴムをねじると、形が変わりますよね。これがストレスがかかった状態です。ゴムには元に戻ろうとする性質があるので、ねじる力を抜けば、つまり、ストレスがなくなれば、元の形に戻ります。
「エゴ・レジリエンス(以下、エゴレジ)」はゴムの形が元に戻ろうとするような、「(自我を調整して)心を平静な状態に戻せる力」と言えるでしょう。

ーその「元に戻ろうとする力」を発揮するためには、何が必要なのでしょうか。

エゴレジには、以下の3つの要素があります。

・立ち直り力
・柔軟性
・好奇心

これらが高いと、エゴレジも高いといえます。保育に関わるかたで特に大切なのは、「柔軟性」です。先ほど述べたように、高い理想をもっていると物事を「こうあるべき」と決めつけがちになってしまい、ストレスを受けやすく、また、立ち直りにくくなります。いろいろな方向から物事を見ることができるようになるためにも、「柔軟性」は大切にしてほしいですね。

ーそう聞くと、私は「エゴレジ」があまり高くなさそうです。

このエゴレジは、もともと高い人もいれば、低い人もいます。
以下の14項目について、どの程度当てはまるかどうかを4段階でチェック・点数化し、それぞれの点数を合計することで、自身のエゴレジがどの程度なのか測ることができます。
ちょっとやってみてください。

やってみよう! あなたの 「エゴレジ」チェック!

1 私は友人に対して寛大である ( )点
2 私はショックを受けることがあっても、すぐ立ち直るほうだ ( )点
3 私は慣れていないことにも、楽しみながら取り組むことができる ( )点
4 私はたいてい、人に好印象を与えることができる ( )点
5 私は今まで食べたことがない食べ物を試すのが好きだ ( )点
6 私は人からとてもエネルギッシュな人だと思われている ( )点
7 私はよく知っている所へ行くにも、違う道を通って行くのが好きだ ( )点
8 私は人よりも好奇心が強いと思う ( )点
9 私の周りには、感じが良い人が多い ( )点
10 私はたいてい、よく考えてから行動する ( )点
11 私は新しいことをするのが好きだ ( )点
12 私は日々の生活の中で、おもしろいと感じることが多い ( )点
13 私は打たれ強い性格だと思う ( )点
14 私は誰かに腹を立てても、すぐに機嫌が直る ( )点

(ブロック & クレメン 1996)

全く当てはまらない 1点
あまり当てはまらない 2点
かなり当てはまる 3点
非常に当てはまる 4点
ego-regi-check

取材当日は、14のチェック項目をカード化したものでエゴレジをチェック。

ー私は36点でした。どうでしょうか?

56点が満点なので、中くらいですね(笑)。ややメゲにくい心と言えるでしょう。このように、エゴレジのチェックをすることで、自分の考え方のクセや、自分の今の心の状態がどのようなものなのかも、ある程度知ることができます。