4・5歳児1年間の保育のポイント①

友達との違いに気づくようになる子どもたち

他者と自分の違いに気づき出すのが4・5歳の頃。この時期には、友達を責めたり、仲間はずれをしたりするようなトラブルが増えてきます。

例えばリレーで遅い友達に対して、「○○くんがいるから、私たちのグループはビリなんだ」と責めた子がいたとき、その子どもに何と声をかけますか。

そういうことを言わないの!

みんなで仲良くしなきゃダメだよ!

こういった言葉をかけることはよくあると思います。

しかし、子どもたちは、どう受け取っているでしょうか。「間違ったことは言ってないのに、何で私が怒られるの?」「先生っていつもいいことしか言わない」。先生の正論は、どんなに正しくても子どもたちは納得していないため、「先生がいるところでは仲良くしとこう」「仲間はずれは先生に隠れてやろう」。そんな気持ちを生んでしまうかもしれません。

「無理!」「できない!」「じゃあやめる?」は禁句

4・5歳の担任になったら、覚悟を決めましょう。「無理なんてことは絶対ない」。そんな辛抱強さをもって子どもに関わりましょう。4・5歳は、まだものごとの経験が浅いため、「無理!」「できない!」とすぐに言ってしまう年齢です。しかし、保育者は「そうだよね」「じゃあやめる?」となるべく言わないようにしましょう。前述のリレーの例なら、「みんなで考えれば、勝てる方法は絶対あると思う」と子どもに伝え、いい方法はないかと子どもたちと考え抜くのです。

気をつけたいのは、最終的に勝ったかどうかは問題にしないことです。よく考えれば、方法や可能性はいくらでもあったことを子どもたちと確認しましょう。また、異質なものを軽視・排除せず、まずは受け止める気持ちをもつこと。それが、将来のいじめの抑制、子どもの「やればできるんだ」という自己有能感、仲間を信じて取り組む関係性を育てます。

<園経営のワンポイント>
経営者は、4・5歳の保育者に、忍耐強い心をもつ人を配置するといいでしょう。

写真提供:ペイレスイメージズ